こんな人におすすめ
・HSPについて知りたい
・人との境界線、愛着などの生き方のコツについて知りたい
・HSPについて、より最新の本を読みたい
自分の繊細な特徴や、自分なりの愛着のタイプなどを、
より詳しく自覚することができました!
本について
【紹介文献】明橋大二, 『HSPのためのハッピーアドバイス』, 1万年堂, 2023, 300p
精神科医として気づいた繊細さの恩恵
著者の明橋さんは、精神科医として、多くの患者と接するうちに、
生まれつきの「気質」という概念が、今まで世の中で見逃されていたことに気づいていきました。
そして、繊細さの気質が、環境によっては生きづらさにもなりますが、良い環境では、よりポジティブな成長や周りへの良い影響にもつながることがわかってきました。
そんな気づきをまとめた、専門的でありながら、わかりやすくまとめられた一冊です。
本の内容 要約・抜粋
性格の3つの層
性格を考える時の3つの層として、下からピラミッドのように
③習慣・行動
②個性
①気質
となっていると考えています。
①の気質は、基本的に変えることのできない、生まれ持った性質のようなものです。
②の個性は、①に基づき、さらに環境の影響を受けて出来上がったものです。
ある程度変えることができます。
③の習慣・行動は、①、②を基にできたものですが、表面的なものなので、環境や意志で変えやすいものです。
「私は人の言葉に傷つきやすい」「冷房や暖房の風が苦手」という性格的な特徴があった場合、
それに対して「気にしすぎ」という人もいますが、
これらは、①の気質に基づいている面が大きいため、そう簡単に変えることはできない部分だと理解して受け止める方が健全だと感じます。
HSPの「DOES」と「差次感受性」
これについては、他の記事にもまとめていますので、こちらをご覧ください!
・HSPとは何か、DOESとは。
・HSPは病気ではないこと
・性格を表す一つの表現であること、など
私の見解もまとめていますので、ぜひ見てみてください。
また、この章では、DOESに加えて、「差次感受性」というHSPの特徴を挙げています。
これは、近年注目されるようになったHSPの特徴であり、
「環境からの影響の受けやすさ」という意味があります。
HSPは、ポジティブな環境からは良い影響を、逆にネガティブな環境からは悪い影響を人一倍感じとります。
HSP×非HSP、HSP×HSPの付き合い方
それぞれに長所や短所、気をつけるべき点があります。
一部を抜粋して、簡単にまとめると、
HSP&非HSP
長所
・新たな自分を知れる。
・嫌な刺激から守ってくれる。
短所
・休むタイミングなどが真逆。
・何気ない一言に深く傷つく。
HSP&HSP
長所
・喧嘩が少ない
・一人の時間を作れる
・深い話ができる
私も、私のパートナーもわりとHSPの傾向がありますが、深い話ができる、というところはとてもありがたいメリットだと感じています!!居心地良いしね。
短所
・相談したのに、二人で気分が深く沈む
・刺激から守ってくれる人がいない。
どのようなペアでも、なるべく自分らしく、
そして、変に相手のことを察するよりも、思ったことを言い合える関係が良さそうです。
親密さを恐れる8つの理由
ここでは、エレイン・アーロン氏の「親密さへの8つの恐れ」に対応して、その理由と対処法をそれぞれ解説しています。
例えば、「①素の自分を出して嫌われることへの恐れ」です。
嫌われたくないので、少し強気に装ったり、平気な顔をしたり、知らないことを知ったかぶったり、、、。心当たりがあります…。
ですが、完璧な人なんていないです。
また、ずっと本当の自分を隠したままで一緒にいたいのか、
また、素の自分を見せると今より居心地の良い関係が築けるかもしれないと考えると、少し楽になってきます。
境界線を上手くひく方法
ここでは、境界線があいまいになりやすいHSPの方への、境界線をうまく引くアドバイスを解説しています。
・境界線を引くための練習(気持ちの伝え方)
・過去のマイナス体験をふりかえり、自分の傷と向き合う方法
がわかりやすくまとめられています。
具体的な方法については、本書から学んだことで触れたいと思います!
愛着スタイル
愛着スタイルには、主に4つの種類(様々な呼称)があり、
・「安定型」
・「とらわれ型・不安型」
・「回避・拒絶型」
・「回避・恐れ型」
があります。
本章では、これを見分ける人間関係での基準や例が出され、それぞれの生き方のコツが書かれています。
例えば、「とらわれ型・不安型」の人は、一貫した態度で養育されなかった可能性があり、相手の顔色などを伺いすぎてしまう傾向があります。
そのため、一人の時間を確保したり、距離感を大切にし、自分にフォーカスすることが大事です。
愛着スタイルは、人間関係によって、大人になってから後天的にも変化するものであり、
「獲得された安定型(のちに安定型になっていったタイプ)」は、より魅力的にもなるらしいです。
ニューロダイバーシティ
さまざまな気質を持つ人がいるという多様性があることが、
今までの人類の繁栄にも貢献してきたし、これからも大事になっていくはずです。
そのような、多様性の考え方を、
「ニューロダイバーシティ(ニューロ「神経」、のダイバーシティ「多様性」)」と言います。
もともと、発達障害に関しての言葉ですが、さまざまな気質にも言えるはずです。
ちなみに、発達障害の「ニューロダイバーシティ」については、ぜひこちらの記事と本を参考にしてください!
【書評】「ニューロダイバーシティと発達障害」天才はなぜ生まれるのか。ニューロダイバーシティとは?
アインシュタインも、ウォルト・ディズニーも実は発達障害だったかもしれません!
発達障害だったからこそ、育まれた能力がありました。
気になる方はぜひ、上の記事を見てみてください。
本書から学べること 感想
相手への気持ちの伝え方
特に私が参考になったのが、境界線についての章で説明されていた、自分の気持ちを届ける方法です。
自分の不満が溜まっていっている、けど、これを言って相手を傷つけたくもない、、、というふうに鬱憤がたまっていってしまうことがあります。
そういうときに使えるのがこの方法です。
相手の言動が悪い、普通はこうする、という言い方よりも
・私はこう感じた。
(私は、あなたが大丈夫だったか、心配だった。)
・あなたは〇〇かもしれないけど、私はこう感じた。
(あなたはもしかしたらこう考えたかもしれないけど、私は傷つく。)
というように、自分の感じたことをそのまま伝えたり、客観的に伝えることで、
伝わりやすくなるし、相手も受け入れやすくなるなと思いました。
自分の性質についての深い理解
HSPについての本は数多くありますが、愛着について、また、親密さと境界線についてここまで詳しく語っている本はあまりなかった気がします。
たしかに、人間関係や恋愛やパートナーとの関係などを考えるときに、
相手との距離感や境界線について、また、愛着について、
というテーマは、とても重要なものだと感じます。
また、HSPだけではなく、HSS型についても説明されているため、多くの人の気質について広くカバーされています!
私もHSPでありながら、刺激を求めたり、外向的な面もあるので、複雑な性格だと悩むこともありますが、それについても説明されていて、安心します。
まとめ
明橋大二さんの『HSPのためのハッピーアドバイス』を紹介しました!
HSPについての本にしては、2023年出版と、とても新しく、
HSPの基本的な解説にとどまらず、人間関係における境界線や愛着などの内容も充実していました。
HSPについてより詳しく理解したい方には、ぜひ読んで欲しいです!
HSPについては、他にもたくさんの本があるので、他のもぜひ見てみてください!
私の記事が、自分らしく、ありのまま生きることに繋がっていったら嬉しいです!!