【本】生き方を変える「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え」〈要約・感想〉

おすすめの本
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こんな人におすすめ

人と比べて劣等感を感じる

自己啓発本を読んだことがある人

・「嫌われる勇気」とは何か知りたい人

アドラー心理学に興味がある人

「愛」について考えたい人

さかす
さかす

人生のバイブルになる本です!!

本について

【参考文献】
岸見一郎 古賀史健, 『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』, ダイヤモンド社, 2013, 294p

著者 岸見一郎 古賀史健

著者の岸見一郎さんは、哲学者、心理学者。
京都大学で学び、
現在は、ギリシア哲学研究と並行して、
アドラー心理学を研究されています。

他の著書に、
『アドラー  人生を生き抜く心理学』
『生きづらさからの脱却 アドラーに学ぶ』
などがあります。

著者の古賀史健さんは、
ライターで、株式会社バトンズ代表。

他の著書に、
『取材・執筆・推敲』
『さみしい夜にはペンを持て』
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
などがあります。

プロフィールを調べいてると、本人のnoteが出てきました。
無職時代の話が面白く、人柄が知れる記事になっています。

本人のnoteはこちら
(個人的には、第一回フジロックに
夜行バスで行った話が脈絡もなく、
ちょこんと出てくるのが、
無職時代を謳歌しているのが感じられて面白いのですが笑)

本書のあとがきに書かれていますが、
お二人は、プラトンとソクラテスのように、
ライターの古賀さんが衝撃を受けた
アドラー心理学について、
岸見一郎先生に尋ねたことをきっかけに、
本書が作られました。

本書の青年は、古賀さんでもあり、
昔、教授のもとに議論をふっかけまくった岸見さんでもある
と岸見さんは述べています。

世界的ベストセラー 485万部

本書は、国内累計208万部、世界累計485万部らしいです。(2020年)
恐ろしい販売数です。

ですが、本の内容を見ていくと、
どんな人も共通してもっている悩み、
人生の目的について論じらているから
こそ、
ここまで多くの人に届いたことがわかってきます。

それでは、本の中身を見ていきましょう。

本の内容 要約

本書は、青年と哲人の対話の形で書かれています。

一般的な、実用書とは違い、
章ごとにテーマがかっちり分けられて
説明されているわけではありません。

その対話の中で描かれている、
大切だと思われる要点をまとめてみました。

(結構長いので、本書から学べることや感想を見たい場合は、スキップしてください!)

①アドラー心理学とは

アドラーは、フロイト、ユングと並ぶ、心理学での三大巨頭。

一般的な心理学にとどまらず、
広く哲学的であり、
人間の真理についての考え。

個人心理学」と呼ばれます。

さかす
さかす

正直、心理学の範囲をゆうに超えていると思います(笑)。
哲学で、ときに宗教的です。

ですが、人間の心理を捉えた、もっと広い人生の真理を、
より論理的、そして理想的に考え抜いた思考であると感じます。

現実離れしているゆえ、宗教っぽさを感じる人もいると思われますが、
論理的で、合理的、かつ希望的な理想を掲げているところに、私はとても共鳴します

②アドラー心理学が起こした革命「目的論」

できないこと、変われないことがあるとき、
人は原因を見つけようとします。

しかし、それは原因のせいではなく、
本心では変わりたくないため、
変わらないことを目的として、
その原因を作り出しているとも考えられます。

このような考えを「目的論」と呼んでいます。

例えば「良い企業に就職できないのは、偏差値の高い大学に行けなかったからだ」という思考。

本心で、その企業に行きたいと思っていないかもしれませんね

また、良い企業に行くことを強く望んでいるが、
自分の能力、価値を下げられるのが嫌で、
それを避けようとする目的のために、
その思考(原因)を作り出した

とも、アドラー心理学では考えられます。

③人の性格「ライフスタイル」

それぞれ人がもつ性格や、
生きる態度を「ライフスタイル」と呼びます。

例えば、
「私は、コミュ障で、人見知りで、臆病で、不幸である」というのも、
一種の「ライフスタイル」です。

そして、アドラーは、「ライフスタイルは自ら選択したものである」と言っています
つまり、もう一度選択し直すこともできるということです!!

④あらゆる悩みは対人関係から生まれる

人と比べて、劣等感を感じてしまうこと
多くの人に少なからず当てはまるのではないでしょうか。

「あの人より運動できないしな…。」
「なんであの人はあんなに人気者なんだろう…。」

それがエスカレートすると、
「なんであの人は、あんなひどい性格なのに人気者でお金持ちなんだろう…」となっていきます。

このような悩みを例に、
人の悩みというのは、
対人関係から生まれるとアドラーは言います。

もし、この世に自分しかいなかったら、
人と比べることも、人の視線を気にすることもないからです。

承認欲求も同じですね。

他人が、どう思うかどうかに関わらず、
自分の人生を生きていく勇気。
これが「嫌われる勇気」である。

⑤他者に介入しない「人生のタスク」

もし、ある程度大人の方、子どもがいる方は、
自分の部下や子どもに対して、

「なんでそんなこともできないの?」
「これはこうやってやるんだよ」
「勉強しなさいよ」

一方的に、その人のタスクに関与してないでしょうか

アドラーは、このようなそれぞれの人がもつ人生の課題を、
人生のタスク」と呼んでいます。
(人生のタスクには、仕事、交友、愛のタスクがあります。)

そして、他人の課題に介入することは、
その人の自立を妨げ、
お互い対等な関係になっていないことを示しています。

他者の課題を分離して考えること
それが大事です。

⑥対人関係のゴール「共同体感覚」

他人が仲間であると思い、
お互いを信頼しあえれば、
自分がここにいてもいいんだ!と思えるし、
あの人のために生きよう!と思えます。

このような感覚を「共同体感覚」と呼び、
その要素は「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」
であるとアドラーは述べています。 

他人を敵と見なし、
競い合うだけの関係の場合、

どんどん苦しくなって、
たまに勝てて喜べたかと思えば、すぐに焦り出す

スポーツや勉強、社会的地位などでは、
そんなことがあるのではないでしょうか。

⑦今を生きる。「人生最大の嘘」

過去にこういうことがあったから、
将来が不安であるから、
そんなことを理由に行動して、
生き続けることが幸福と言えるでしょうか。

そうやって今を生きなくすることこそ、
人生最大の嘘」なのではないでしょうか。

物語のように、これをしないと、これができない。
これをしたから、あれができるかも。

人生はそんな単純な「線」だけでは語れません

ダンスするように、今を生きる。
ダンスをする時は、将来のあの時のため、
なんていちいち考えませんよね。

その時、その時、を生きていたら、
たまたま、ある場所に辿り着いただけです。

アドラーはこう語ります。

「誰かが始めなければならない。
他の人が協力的でないとしても、それはあなたには関係ない。
わたしの助言はこうだ。

あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく

本書から学べること

私から始める、という愛。

本書を読み終えた時に感じたのは、
これが愛かもしれない」という感覚です。

ヒトは、集団から排除されないようにするための機能を本能的に、
生き延びるために備えていると思われます。

アンデシュ・ハンセンさんの著書
スマホ脳』、『メンタル脳』などにも、
そのような人間の本能的な
脳みそのメカニズム
が書かれています。

詳しくは、
こちら”【本】人はなぜ悲しみ、精神を病むのかを解説「メンタル脳」〈要約・感想〉”

こちら”【本】スマホ中毒、使いすぎちゃう人へ「スマホ脳」〈要約・感想〉”

だからこそ、

人前で話すのは怖いし、
誰かから悪口を言われることを恐れるし、

誰からも嫌われないように行動しようとする
ときに、権威や力を得て、それを見せつけようともする

これ自体は、悪いことでもなんでもないと思います。
本能的なものであると感じるからです。

ですが、そうだとわかっているのなら、もしかしたら、
それに抗うこと、それを踏まえて
変えられることがあるかもしれないと思います

知った上でどうするかを選べるかもしれないのです。

さかす
さかす

例えば、私も、SNSで人と繋がっていたいと思うのは、
人と話が合わなくなるのが嫌だな、あまりに人と違うと怖いな、
と感じるという理由があると思います。

ですが、それがわかったなら、SNSを見る頻度を減らす、
つながる人を厳選する、スマホとの関わり方を改める、など、
いろんな対策ができるかもしれませんよね。

その方法を考えていくのが、
心理学、脳科学、教育、社会学、経済学など、
文理を超えたあらゆる学問であると思います。

少し話がそれましたが、

誰かがやってくれたから自分もやる、
誰も見向きもしてくれないからやらない、
誰かに嫌われるからやらない、

ではなく、そんなの関係なく、

とりあえず、まず私がやってみまーす!!

これが、他者を無条件に信頼するということであり、
生きていて居心地が良く、楽しい社会をつくる鍵なのではないでしょうか。

さかす
さかす

自分の考えを発信するのは、少なからず怖いです。
誰かから反発されるかもしれないし、嫌われるかもしれない。


ですが、そんなことは、
自分がやりたいことをやらない理由にはならないのです!!!

自分が思考していて楽しいから、
そしてそれが誰かの役に立てば嬉しいから、発信し始めたのです。
これこそが愛みたいなものだと信じてます。

現実離れしているが…

正直、本書の内容、アドラーの言っていることは
現実離れしすぎていると感じます。

現代社会に生きている自分たちにとっては、
実践するのが難しいことばかりだからです。

例えば
「褒めてもいけず、叱ってもいけない。」
「目標など必要なく、ただ今を生きればいい。」

こんなことを言われても難しいです。

さかす
さかす

目標がなかったら、社会的な成功もできないし、
収入も得られない人生になっちゃうじゃないか!

そもそも、それじゃあ、なんのために学校に行ったのさ!!

同じように感じる人も多いと思います。

ですが、その一方で、この理想を掲げることには、
とても意味があると私は思います。

現代社会に生きて、
その日々で感じられる価値観だけで生きていると、
どうしても抱えきれない悩みやネガティブな感情、

人との衝突が起きているように感じるからです

それを根本的に解決するには、どうするのが良さそうか。
それを考え抜いたのが、「アドラー心理学」であると思います

その実践として、
・自分の人生のタスクと向き合う。
・自分と他者、それが存在しているだけで価値があると感じる。
などがあるのではないでしょうか。

本書のメリット

一旦、今生きている社会とは少し離れたところで、
アドラーのこの考えに触れてみる

これは、長い(かもしれない)人生の中で、
やってみる価値があることなのではないでしょうか。

やはり、アドラー心理学は、心理学というよりは、
ある種の「人生哲学」ですね(笑)

また、本書は、対談形式になっていて、
特に青年は、現実と照らし合わせた不満を、
哲人にぶつけまくっています(笑)。

だからこそ、自分の日々の生活の中で感じる葛藤を踏まえて
(例えば、「承認欲求は、地位や名声を獲得するための大切なものだ!承認欲求がいらないなんて詭弁にすぎない!」などのリアルな反発を通して)
アドラー心理学を学ぶことができます。

(二人の対話そのものが面白いシーンも多いので笑、物語としても楽しめます)。

まとめ

岸見一郎さん、古賀史健さんの
『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』を紹介しました。

あなたは今からでも生まれ変わることができます。
その方法が、嫌われる勇気をもつことです。

初めて本書を読んでから数ヶ月を経て、
この記事を書くために改めて読みましたが、
多くの気づきと感動を得ることができました。

私の人生のバイブルの一冊になっていく確信があります。

おそらく、多くの人にとっても、
そうなっていると思われる販売部数です(笑)

ぜひ、あなたも、本書を、
自分の悩みと向き合い、生き方を考えていくきっかけにしてほしいです!

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