【本】子育て中の言葉がけのコツ「その『一言』が子どもの脳をダメにする」〈要約・感想〉子どもが反抗する理由とは

おすすめの本
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こんな人におすすめ

子育て中の人

子どもと接する機会がある人

・人とのコミュニケーションに余裕をもちたい人

・人に否定されて嫌な思いをしたことがある人

教育、心理学、脳科学に興味ある人

自主性、自信、思考力、社会性を身につける対話を知りたい人

さかす
さかす

子どもに対してに限らず、
まず、「その人の言っていることを受けとめ認めること

それ以上に大事なことってないよな、と納得して思える本です!!

本について

【参考文献】
成田奈緒子 上岡勇ニ, 『その「一言」が子どもの脳をダメにする』, SBクリエイティブ株式会社, 2023, 237p

著者 成田奈緒子 上岡勇ニ

著者の、成田奈緒子と上岡勇ニさんは、
子育て科学アクシス」という団体を一緒に立ち上げました。

「子育て科学アクシス」は、
医療、心理、教育、福祉などの専門家が集まり、
親支援や家族支援を行っています。

多くの学問からの視点が融合されているため、
より複合的で、実際の状況に合った的確な情報を
家庭に提供されているのではないでしょうか。

(まさに、リベラルアーツであり、マルチポテンシャライトが得意にしていそう!
って感じの領域の横断の仕方です笑。


「マルチポテンシャライト」について気になる方はこちらの記事 “【本】山ほどやりたいことがある人へ「マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法」”を)

成田さんは、小児科医、医学博士、公認心理士をやられていて、
分子生物学、発生学、解剖学、脳科学の研究もされています。

上岡さんは、臨床心理士、公認心理士の資格をもたれていて、
適応障害の支援などもされています。

本の内容

①遺伝子と性格の関係

遺伝子が性格をある程度決めているのは事実です。

ですが、それがその人が社会適応をしていける力が
あるかどうかを決定する要素にはならず、

むしろ、親の子どもに対する態度、接し方、言葉が
子どもに大きな影響を与えます。

②脳の発達の3つのステップ(重要)

脳の発達は

からだの脳(0-5歳)」
大脳辺縁系や視床下部などの間脳、中脳や延髄などの脳幹が育つ、からだの基本的な機能をつくる時期

→「おりこうさんの脳(6-14歳)」
:大脳新皮質が育つ、言語機能、手足の動きなどが発達する時期

→「こころの脳(10-18歳)」
前頭葉と「からだの脳」をつなぐ神経回路が育つ、論理的思考、問題解決能力、集中力が発達する時期

というふうに変わっていく。(一部改変)(p26-)

成田奈緒子 上岡勇ニ, 『その「一言」が子どもの脳をダメにする』

「からだの脳」の時期は、生活リズムを作り、
特に睡眠時間(小中学生で約9-10時間!)をしっかり確保することが最重要。

「おりこうさんの脳」の時期は、
親の行動、発言を学んでいくので、
親との対話において、
子どもを認め受け止めること
親がどう伝えるかがとても大事になってきます。

「こころの脳」の時期は、
子どもの自立のために、
子どもが自分で考えて
行動していくことを見守ること、
失敗をさせることが大事となってきます。

③子どもの自律、自信、考える力を奪う言葉

②のそれぞれの脳の発達の時期に合わせた、
子どもへの接し方、かける言葉のコツ、
その例が多く挙げられています。

例えば、
✖️「またくだらないYoutubeを見てるのか」
○「どんなの見てるの?教えて」(p78)

くだらない」という言葉は、
相手の価値観を見下している冷酷な言葉です。

また、子どもの好きなものは、
子どもの世界の大きな部分を占める関心事で、
癒しでもあるはず

それを頭ごなしに否定してしまうということは、
子どもにとっては、自分を否定されたと強く感じてしまいます。

まず、親が興味を示して、
子どもが好きなことを認めてあげる

それが、お互いの信頼関係を育む大きな第一歩になるはずです。

さかす
さかす

アニメ、漫画、音楽、Youtube、お笑い、好きなアーティストや芸能人など、

自分の好きなものに他人が興味を示してくれるのは、大人でも嬉しいですよね

④子どもの社会性を奪い、脳をダメにする言葉

例えば、

✖️「(心配する子どもに)もっとしっかりしなさい!」
⚪️「不安なんだね。何が不安なのか教えて」(p216)

不安を感じやすい子どもに、
「もっと頑張れ!」などの
言葉をかけるのは絶対にやってはいけないです。

精神的につらくなり、子どもが
起立性調節障害になるケースも少なくないです。

この例に限らず、
子どもの言葉を「オウム返し」して認めてあげるのが、
まずとっても大事になります。

今回の場合、「そうだよね、不安だよね。」という感じで。

さかす
さかす

不安な時、怒っている時に、正論を言われても、
それが正しいかどうかに関わらず、
まず聞く気になれないし、よりつらい気分になるだけだよなぁ。

(こういうチグハグの会話、大人の世界でもとても多い気がします…)

親が体育会系であるほど特に、
「もっと頑張ればできるようになる!」
というような正論の根性論を言ってしまいがちですね。

親自身が子どもたったときの、
失敗談や、弱みを見せられるエピソード(ある程度フィクションでも良い)
を話してあげると、より子どもは安心できるかもしれません。

また、親がポジティブに捉える言葉、行動をとっていれば
自然と子どもはその行動を学び、
起きた出来事をどう捉えるかの脳みそ、
「こころの脳」、前頭葉を鍛えていきます。

本書から学べること

健康第一が脳みそにも良い

本書では、「からだの脳」をつくることの大切さが、
何度も説明されています。

健全な体がなければ、
どれだけ良い教育をしてもそれが、
その子に浸透していかないからです。

そしてこれは、
子どもに限った話ではないよな、と感じました

・睡眠時間をしっかり確保
・朝はカーテンを開けて太陽の光を浴びる
・夜は最低でも1時間以上前にはブルーライトを浴びる電子機器の使用をやめ、
・できれば1時間以上前にお風呂に入る
などの生活のリズムを整え、自律神経を整えること。

多くの実用書でも、睡眠の大切さなどが語られることを見ても、
と生きる上で、健康は最重要であると思われます。

また、このような、
命と健康を第一にするというような、
家庭の軸をもつこと
も、
本書は提唱してます。

子どもが小学校に入ると、
成績やテストの点数という
数字のメディアのおかげで(せいで)

家庭でも子どもを評価し、
厳しくしてしまうことがあるのではないでしょうか?

子どもは学校でも、そのような評価を受け、
様々な声をかけられているはずです。
 
家庭でも言いすぎる必要はあるのでしょうか。
 
厳しく言いすぎることにより、より重要な
健康と命の軸が危うくなることがあっては本末転倒です

(藤井聡太さんなどで、最近話題の、モンテッソーリ教育も、
これに似た教育方針なのかな?と思いました。
いつか記事にするかもしれないです。)

脳みそは変わる、可塑性

性格も考え方も、脳みそも、
遺伝的な部分は変わりません。

ですが、環境(住環境、人間関係、習慣、文化)が変われば、
脳みそは大きく変わります
 
これを、脳みその変わりやすさ、
可塑性」と言います。

私は、ここに希望を感じます。

今まで、他責で、親のせい、先生のせい、
学校のせい、職場のせい、国のせいにしてきたとしても、
 
少し、その環境を工夫して変えてみることで、
脳みそが大きく変わり、もしかしたら、
抱えていた課題も変わっていくのです。

ワクワクしませんか?

子ども時代の方が、大きく変わること
脳科学的に見ても明らかかもしれません。


ですが、大人になってからでも、
自分の変化を感じることはあるのではないでしょうか。

さかす
さかす

私も、読書を通して、新たな自分に少しずつ出会えている実感があります。
一年前の自分とは、変わっているところもある気がします。

また、初めてのことをしたり、新しい場所に行ったりしても、
脳みそがワクワクするのを実感します!笑

本書では、それを、
人への「言葉」や「接し方」という切り口で語っています。

このような本を読むことは、自分の習慣を変えるきっかけになると思います。

つまり、脳みそを少しずつ変えていくきっかけになるのではないか、と信じています。

本書のメリット

全てで25コもの、
変えるべき具体的な言葉とケースが挙げられています。
 
無意識のうちに親がかけてしまっている言葉が、
いくつかは必ずあると思われます。

また、現代特有の、
スマホとの関わり
SNSとの関わり方に関する提案
にも触れられているため、

現代を生きる私たちに参考になる内容になっています。
(2023年発行という新しさなので、納得です)

まとめ

成田奈緒子さん、上岡勇ニさんの『その「一言」が子どもの脳をダメにする』を紹介しました。

大丈夫!あなたならできる」(p86)や「忙しいから後にして」(p178)など、
多くの人が、無意識に言ってしまっている言葉が多くあり、考えさせられる本でした。

子どもに対して、
本当によい教育をしてあげたい人はもちろん、

円滑で、信頼関係が生まれるコミュニケーションを体得したい人にも
オススメの本になってます!ぜひ!

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