【書評】HSP入門「繊細な心の科学」〈要約・感想〉特徴・情動伝染・思春期・セルフケアのやり方について(本)

おすすめの本
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こんな人におすすめの記事

・自分の繊細さに悩んでいる人

人の気分に左右されやすい、共感しやすい

・HSPについて、概要を知りたい人

性格診断などに興味ある人

心理学、脳科学について簡単に知りたい人

・自分らしく生きたい人

さかす
さかす

HSPについて、
その特徴、年齢による変化、
そもそも性格とは?など、

多角的に書いてあって、参考になる本でした!

【参考文献】
串崎真志, 『繊細な心の科学 – HSP入門』, 風間書房, 2020, 202p

本の内容

人に対する繊細さ

繊細な人は、情動伝染しやすいです。

「情動伝染」とは簡単に言うと、
人の気持ちが自分の気持ちよのように感じたり、
人の表情で、自分もその気持ちに引っ張られたりなど、

人に共感すること」です。

この能力のおかげで、

人の気持ちを読み取るのが得意だったり、
人に上手く気を遣うことができたり
します。

ですが、逆に言うと、

情動伝染が高いゆえに、気を遣いすぎたり
他人の気持ちに左右されて、疲れたりします。

さかす
さかす

私も、駅や都会の人混み、騒がしい居酒屋、
学校のクラスでの交流など、
人が多いと疲れます。HSPあるあるですね。

感覚の敏感さ

こちらの章では、HSPの特性を表す
DOES」について詳しく書いてあります。

私の他の記事でも、
HSPの特徴や、
生きづらさの理由や、
HSPという概念との向き合い方の提案とともに
まとめているので、こちらの記事を参考にしてください!

こちら”最近よく聞く「HSP」とは何か?病気?特徴は?〈繊細さん〉”

類型論と特性論

性格を表す方法として、
類型論や特性論があります。

類型論」は、内向型or外向型など、
タイプ別(類)に分ける方法です。

例)MBTI診断

特性論」は、神経症傾向、協調性など、
特徴がどれくらい当てはまるかを表す方法です。

例)ビックファイブの5因子

それぞれ、考え方の長所、短所があります。

類型論
長所:大まかな性格を直観的に理解するのに役立ちます
短所:曖昧な部分を見えにくくしてしまいます

特性論
長所:個別の違いまで細かく理解できます
短所:全体的な傾向が、パッと見ではわかりにくいです

これらをもとに、繊細な人、HSPを見ていくと、

・直観力が高いこと
・内向的とは限らず、外向的なHSPもいること
・気持ちの不安定さがあること

などは、多くのHSPに当てはまりそうなことになります。

ちなみに、「外向的だけどHSP!?」と
思った方は、こちらの記事を読んでほしいです。

こちら”HSS型HSP(HSE)とは?特徴は?繊細だけど好奇心旺盛?”

世界にはこういう人もいるのか、と
気づくきっかけになれば幸いです。

繊細さのメカニズム

HSPに限らず、人は、
無意識のうちに生理的な情動伝染をしています。

あくびがうつった!
などは皆さん経験ありますよね。

実はそれ以外にも、

心臓の鼓動、脳波、皮膚の温度、手の汗など、自分で調節できない生理的な活動が、目の前の相手と同期するのです。(一部省略)(p115)

串崎真志, 『繊細な心の科学 -HSP入門』

そして、これらを含めた、
情動伝染がしやすいのが、HSPということです。

そしてこの章で、面白いのが、
著者、串崎さんの仮説、「匂いでも気持ちが伝わる」というものです。

怖い映画を見た人の汗を、
他の人に嗅がせると、

眉間に皺が寄るなどの、
ネガティブな反応が起こった、
ということを確認した実験もあるそうです。

さかす
さかす

「匂い!?笑」と思いましたか?

私は驚きもしましたが、でもありえるよなとも思いました。

繊細さと思春期

HSPの特性、繊細さは、
思春期に、より強くなります。

そして、思春期は、気持ちが不安定になったり、
SNSで友達が気になったりなどしやすくなる時期でもあります。

さかす
さかす

私も、10代の学生の頃は、
オンラインゲームにハマりすぎたり、
SNSの繋がりを気にしすぎたり、
自転車で無謀な旅に出たりなど、

一事が万事のような感覚、
喜びも興奮も恐怖も不安も、強かったような気がします。

しかし、これは決して変なことではなく
脳みその成長段階を考えても、自然なことです。

思春期の頃の自分にも、読ませたい章でした。

セルフケア

4つのセルフケアの方法が紹介されていました。

①気持ちのバリアのイメージトレーニング。

自分の周りを、囲うバリアを作るイメージをすることで、
相手に左右されすぎてしまうHSPが、上手く相手との境界線を作れます

②認知の歪みに気づく。

「私って人見知りで、ネガティブだよな」
「何しても無駄だし」といった

自分の思考の癖を知ることで、
それを修正していくことができるかもしれないです。

③オフラインにする。

現代は、テレビ、インターネット、SNSなど、
さまざまに世界と繋がるツールがあります。

HSPは、情報過多になると、調子が悪くなりやすいので、情報を制限することは大事です。

また、情報を制限することで、
創造的なアイディアが生まれる、とも串崎さんは述べています。

さかす
さかす

たしかに、日中、SNSやYoutubeなどを受動的に見ず、使用時間も少なくした日は、

夜になっても、本をゆったり読めるような集中力が残っていたり、
頭の中で、記憶とアイデアが結びついたりと、とても活き活きしている気もします。

スマホとの向き合い方は、繊細な人には特に大事だと思っています。

以前、スマホとの向き合い方を
改める方法をまとめましたので、

「ちょっと使いすぎちゃう日があるんだよな」
「集中力高めたいな!」という方は、見てみてください。

こちら”【スマホが原因で】やる気が出ないとき対策3選〈勉強のモチベ・集中力を上げる方法〉”

④副交感神経を高めリラックスする。

自分の顔、特に口周りをリラックスさせるようにマッサージをする。
ゆっくり息を吐く、など。

さかす
さかす

自分の空間(部屋)を作ったり、
瞑想をしたり、
美味しいものをゆっくり味わって食べたり
なども良いかもしれませんね!

本書から学べること

HSPは性格を表す概念である

HSPというのは、
性格を表す概念なだけであって、

それ自体が良い悪いは語れず、
治療が必要な病気なわけでもないです。

本書には、

HSPは一階部分

二・三階部分に、さまざまな症状や問題行動(不安症や抑うつなど)が「乗ってしまう」こともあります

一階・二階・三階、それぞれに対応することが重要です。(一部改変)(p30)

串崎真志, 『繊細な心の科学 -HSP入門』

というふうに書かれていました。

なので、まずは、
HSPっぽいと気づいたら、

自分はどんな特徴があるのか、
どんな時にネガティブになり、
逆にポジティブになるのか、など

自分の性格を細かく知るのが大事だと思いました。

これが、本書で言う、一階部分に対応することだと思います。

繊細さはデメリットだけではない!
ということを語った記事もありますので、ぜひご覧ください。

こちら”【HSP】繊細さはデメリット?HSPを活かす方法3選〈生きづらさをメリットに!〉”

もし、鬱や、適応障害など、
精神的な病気にまで発展してしているようなら、
それは、それ自体にしっかり対応するべきですね。

必要によっては、病院、医者への診療を検討するのが良さそうです。

脳みそも性格も変わる部分がある

本書は、脳科学についても、
入門書的にわかりやすく書いてあります。

思春期についての言及もありましたが、
脳みそは、年齢によっても、変化をしていきます。

また、性格には、類型論、特性論、
そして状況論というのも取り上げられています。

状況論」とは、時と場合によって
性格は自由に変わりうる、というものです

脳みその変化のこと、
また、性格の捉え方には、
そういうものもあるのか!、と知ると、

自分の性格って全然変わる可能性あるな、と思えてきます。

さかす
さかす

自分はこういうキャラだから、自分はこういうタイプだから、
と、殻にハマりすぎるのももったいないよな、と思わされます。

これは、私の大好きなLucky Kilimanjaroという音楽グループの
「KIDS」という曲でも歌われています。

今までこう生きてきたから、これからもこうだよね…」って考えるの、
とても勿体無いと思えてきませんか!?

(詳しくは、こちら”普通に縛られるな!Lucky Kilimanjaro名曲3選〈歌詞〉らっきりの魅力”

少し熱くなっちゃいましたが(笑)、

自分の性格はどんなものか、HSPであること、
などは、自分を知る道具として使うべきですね

自分を狭い世界に閉じ込める概念ではないと思います

そして、これからも、何歳でも、
脳みそは変わっていく「可塑性」があるので、

もし、何か挑戦したいことがあったら、
するべきなのではないか、と私は思っています

本書のメリット

「繊細さ」について、
そのメカニズム、日常生活での例、
それを和らげるセルフケアなど、
さまざまな視点で
、解説がされています。

タイトルの「HSP入門」の通り、
HSPについて、概要を知りたい方は、
この一冊でとても理解できると思います。

多くの研究も参照されていて、より科学的な説明でもあります。

著者の串崎さんも、繊細な方であると自覚していて、
繊細な人が生きやすくなる考え方、コツなどが、
それぞれの章の内容に即して書かれています。

それゆえ、読者にも配慮された本の構成
(心理学について詳しくない方にも読みやすい)
になっています。

また、各章の終わりに要約したまとめが書かれていてとても読みやすいです。
(こういう本、ありがたいです)

本書の最後に、HSPについての理解を深めるおすすめの本も複数紹介されています。

このブログでも、紹介していくと思いますので、お楽しみに!

まとめ

串崎真志さんの『繊細な心の科学 – HSP入門』を紹介しました。

人に共感するのが得意だが、それゆえ、疲れてしまう繊細な人。

そんな人の特徴や、生きるコツが書かれている本でした。

繊細さを自覚した方、ぜひ、1冊目に手に取ってほしい本です!

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