【本】「9割の社会問題はビジネスで解決できる」〈要約・感想〉資本主義での革新的ビジネス

おすすめの本
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こんな人におすすめ
・社会問題解決 or ビジネスで迷う人
・今の仕事に社会的意義を感じない人
・これから就活しようとしている人
貧困、環境問題、差別、格差などの社会問題に関心がある人
・社会問題解決の仕組みづくりをしたい人
社会起業家になりたい人

さかす
さかす

社会問題に対して、ビジネスでも本質的なアプローチできるのか
という発見がある本です。

本について

【参考文献】
田口一成, 『9割の社会問題はビジネスで解決できる』, PHP研究所, 2021, 348p

著者 田口一成

著者の田口一成さんは、自身で設立された
株式会社ボーダーレス・ジャパン代表取締役社長です。

福岡県出身、早稲田大学卒業。
学生中に、世界の貧困問題に興味をもちます。

ボーダーレス・ジャパン

ボーダーレス・ジャパンは、
社会問題を解決するためのビジネスをさまざまな分野で展開しているグループです。

世界の15カ国に、40ものソーシャルビジネスを展開しています。
従業員は役1500名で、年商は55億円です。(2021年4月)

本の内容

①ソーシャルビジネスとは?

資本主義の中ではどうしても、効率化、そして利益が求められます。
そうすると、その歪みとして貧困や環境破壊など、さまざまな社会問題が発生します。

その社会問題に対して、根本的なところからアプローチするのが、
ソーシャルビジネスです。

例えば、
環境に良い商品、
フェアトレードなどの
貧しい労働者に賃金をしっかり払ってできた商品
を買ったことがある人もいるかもしれません。

ですが、その善意も、数回、または一回きりで終わってしまったのではないでしょうか。

この問題を解決するのは、
商品自体に、消費者が買いたくなるような付加価値をつけること、
それができれば、ある程度高値でも買ってもらえるはずです。

②ソーシャルビジネスをつくる仕組み

・起業体験やセミナー
事業資金1500万円を提供
・マーケティングや採用などの起業時の業務、
 経理やファイナンスなどの経営時の業務をサポートするチームがいる。

・グループで共通の財源をもつ「恩送り」のシステム
・グループの全社長による合議制でグループの方針を決める。
・社長や社員の報酬は、社長自身が全て決められる

これらをボーダーレスグループは実践しています。

これらによって、ソーシャルビジネスを、
ハードルを低く、誰でも始められるようにしようとしています。

③この仕組みがうまれた経緯

ここでは、田口さんが
このボーダーレスグループの仕組みを考え、
つくるまでの経緯が

大学生時代の話から、
執筆時(2021年)の話まで書かれています。

全ては書けないので、私が印象的だった部分を抜粋します。

田口さんがアフリカの貧困をドキュメンタリー番組で見て、衝撃を受けたシーンです。

この問題を解決したいと、すぐに、
国際的に活動するNGO団体に話を聞きに行きます。

団体の方のお話で気付いたのが、
寄付金は変動があり、資金繰りが大変だということ。

そこで、田口さんは、
自分が資金を提供できるように、
ビジネスで利益を出し続ければいいんだ!
と考え、アメリカのビジネススクールに行きます。

さかす
さかす

私は、このエピソードを読んで、
すぐに行動に移していく力、
人の話を聞いて次のステップを考える力、
海外だろうが行く度胸、

これらは、田口さんの「才能」だ!と感じました。

田口さんがもつ「才能」は、
いろんな新たな場所に行き、
人と話すことでより開花したように感じました。

このような才能は誰もがもっているわけではないと感じます。
ブログを読んでくれているあなたも、あなたなりの「才能」があるはずです。
それに関しては、ぜひこちらの記事 “【本】人と比べてしまう人へ「世界一やさしい『才能』の見つけ方」〈要約・感想〉”を読んでほしいです。

少し話が逸れましたが、
田口さんは、とあるビジネスをやっているときに、
「ビジネス自体でも社会問題にアプローチできるかもしれない」
という気づきを得ました。

これが、今のボーダーレスグループができるきっかけとなります。

④ソーシャルビジネスの作り方

ソーシャルビジネスは、
とってつけたような環境対策や、
社会貢献運動
をしているビジネスとはまったく違います。

そんなソーシャルビジネスを作る流れを、
図を示しながら説明しています。

ソーシャルコンセプト(誰のどんな課題に)
・制約条件(問題下での変えられない条件)
・ビジネスモデル(販売方法やプロモーション、差別化の仕方など)

を順番に考える。

重要なのは、はじめのソーシャルコンセプトです。

なんとなく困っている人がいると聞いたから始めるでは、
その人の顔が具体的にわかりません。

ある社会問題で困っている人の、実際の現状をしっかりと調査し、話を聞きにいく
これが何より大事!

⑤ソーシャルビジネスの成功の秘訣

ここでは、具体的なソーシャルビジネスを6社挙げて、
成功した流れ、そこに至るまでの秘訣を説明しています。

学校教育の中の先生に対して働きやすくする取り組

・日本にいる難民に雇用を与える事業

・フードロスを減らすための地元の野菜を売るビジネス

・ファストファッションの廃棄の多さを変えるスローファッションのアイデア

など、さまざまなソーシャルビジネスが取り上げています。

本書から学べること

根本的に変える仕組み

ビジネスに限らず、表面的な改善にしかなっていない対策って多くあると思います。

めちゃくちゃ身近な例ですが、例えば、
・洋服の収納棚が整理できていないから、とりあえず軽く畳んでその辺に置いておく。
・スマホをつい見すぎてしまうから、通知をなるべく見ないようにする。

もう少し規模の大きい例では、
・犯罪が多い地下鉄のホームで、注意喚起のポスターを貼る。
・顧客からの問い合わせに対して、しっかり一つずつ返答していく。

これらはもちろんしないよりは、したほうがいい行動ばかりです。
ですが、もっと根本的な改善の方法やアイデアがあるのではないでしょうか

・収納棚に仕切りを作ってみる
・スマホの電源を切って、自分の部屋には置かない
・地下鉄のホームの照明を変えてみる
・問い合わせが多いテーマのに対しては、「よくある質問」を作る
などです。

それをビジネスでやっているのが、ボーダーレス・ジャパンの
ソーシャルビジネスの仕組みだと感じました。

資本主義という経済構造の中で、生まれてしまう問題に対して、
発生するデメリットを減らすのではなく、
そもそもデメリットを出さない、

または、メリットを生み出せるような本質的なアプローチをしていく、

それが素晴らしいなと思いました。

さかす
さかす

私の大事な「価値観」の一つである、「合理的であること」に
合致するビジネスアイデアなのでとても共鳴しました!

本書のメリット

本書には、
田口さんが関わった事例や、
ボーダレスグループの実際のビジネス事例
がとても多く載っています。

それらは、多岐にわたる社会問題の分野にアプローチしているため、
そんなことでもビジネスにできるの!?と思います。

例えば、
海外からの留学生と、現地の日本人が共に住むシェアハウスの運営

このシェアハウスによって、国や文化を超えた交流が生まれます。
身近なところで、そのような多文化と触れ合うことは、
その人がこれからの人生に大きな影響を与えるはずです。

「そういえば、あんな人がいたな。」
「もしかしたら、こういう人もいるのかもな。」

というような、知識と想像力をもつことにもつながるのではないでしょうか。
つまり、このシェアハウスが、
国際的な差別や偏見をなくすことにつながっているかもしれないのです。

社会問題そのものを知ることにも本書は役立ち、
それにとどまらず、それを解決するビジネスを立ち上げるノウハウまで細かく載っています。

また、田口さんの熱いメッセージも、終章に載っていて、個人的には、
「何もしないよりも、ごくわずかな力でもやったほうが絶対良い」
というハチドリに喩えた話がとても心に響きました。

さかす
さかす

自分が生きたことにより、

何か世界がポジティブに変わったら嬉しいですよね。

まとめ

田口一成さんの『9割の社会問題はビジネスで解決できる』を紹介しました。

ソーシャルビジネスという革新的なアイデアは、
これからの世の中に広がっていくはずです。

社会問題に興味はあるものの、自分が何かするのって難しいよな、、、。
と考えていた私には響くものが多くありました。

自分にできることをやってみようと、このブログでの発信も挑戦してみています

社会問題に興味がある人、自分でも何か行動に移してみたい!と思う人には、
ぜひ読んでほしい一冊です!!!

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