こんな人におすすめ
・人の期待に応えすぎている人
・大抵のことはこなせるけど、心からやりたいことがない人
・今の仕事に不満を感じている人
・本質的なことを考えるのが好きな人
・HSP、HSS型HSPの人
・たくさんのことに手を出して生きていきたい人
自分に合った生き方を模索していくのって大事やな。
そう感じさせてくれる本です。
本について
【参考文献】
時田ひさ子, 『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』, 株式会社あさ出版, 2022, 251p
著者 時田ひさ子
著者の時田さんは、
HSS型HSP専門の心理カウンセラーとして、
カウンセリングや発信をされています。
ご自身も、かくれ繊細さん(HSS型HSP)であることに大人になってから気づかれたそうです。
繊細な人が「やりたいこと」を見つけ出せる1冊
時田さんの著書は、他にも、
『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』
が1冊目にあります。
こちらは、
かくれ繊細さんとはどういう人か、
生き方のコツや、
具体的なかくれ繊細さんの例が
たくさん載っている本になっています。
それに比べ、本書は、
「やりたいこと」を見つけるための本となっており、
自分のなかの相反する
複雑な(一見厄介そうに見える)性格とどう向き合い、
「やりたいこと」に臨んでいくかが書かれています。
まだ、自分の(繊細で、疲れやすく、人の視線を気にしすぎたり、でも好奇心旺盛で、すぐ感動したり…の)性格が、「かくれ繊細なのかな?」、、、と悩んでいる方はぜひ、1冊目の方も読んでみてください。
記事にもしているので、
こちら “【本】社交的だけど傷つきやすい人へ「その生きづらさ、『かくれ繊細さん』かもしれません」”も参考にしてください!
本の内容
①「やりたいこと探し」が終わらない理由
・自分の強すぎる感受性が、おかしいものだと思っていませんか?!
・外向的であり内向的あるが故の苦労…
・「やりたいこと」の定義はもっと自由でいい!
②かくれ繊細さんの10コの才能
・相手に気遣える
・深くのめり込める
・予測して準備できる、など
③かくれ繊細さんが悩んでいる8つのフェーズ
・「いい人」になっているフェーズ
・思考だけで答えを導き出すフェーズ
・いつか必ずやり遂げると思うフェーズ、など
・それぞれのフェーズに合った感情を整理する実践ワーク
④かくれ繊細さんが才能を発揮するコツ
・嫌な人とは距離を置くのは決して悪いことではない
・プロジェクトが定期的に発足するところにいる(これについては、本「マルチポテンシャライト」にめちゃくちゃ詳しく書いてあります!)
・自分の個性を活かした領域をつくっていく
本書から学べること
「これやった方がいいよな」からの解放
多くの人は、
なんとなくやった方がよさそうなことを、
自分の「やりたいこと」であると思い込んでることがあります。
他人の期待を無意識のうちに感じとりやすい、
HSPの方、かくれ繊細さんは特にそうなのではないでしょうか。
例えば、
・テストで良い点を取る
・この資格を取る
・ここに進学や就職をする
・人の役に立つ
などでしょうか
もちろん、これらがその人の本音の部分で、
心がワクワクしてやりたいことである場合は、GOODだと思います。
ですが、自分の心の声、本音を無視していくと、
本当にやりたいことがわからなくなるだけではなく、
その人の才能が十分発揮されなかったり、
心身ともに病んで鬱になったり、
楽しいことがなくなっていったり、
悪い場合、楽しそうにしている他人に対して
妬みや悪口を言うようになったりしてしまいます。
私も、「自分がやるべきなんだ!」と、
人の期待に応えすぎて、学生時代、部活などで
似たような経験をしたことがあるので身につまされます…。
これは「自分軸で生きる!」ということにつながる話であると思います。
これは、自己理解のプロ、
八木さんの本の内容にとても繋がります。
他人軸で生きていて、その人にとって良いことってあるでしょうか?
「やりたいこと」は人から評価されなきゃいけない、
と思う必要はありません!!!
また、時田さんは、「体の感覚」を取り戻すという表現をしています(p125)
「やりたいことをやっている
→本心が納得している
→体の感覚につながる(「肩の力が抜ける」「顔が上がる」など)」
心と体ってとっても密接に繋がっているよな、という発見をくれました。
人とは適度に会う。SNSも!
私は、人とずっと一緒にいたり、
毎日忙しなく人と関わるとめっちゃ疲れて思考停止します(笑)
特に、気が合わなそうな人、
態度が大きすぎて威圧を感じる人といるときはそうなります。
みなさんはどうでしょうか。
HSPの特徴がある方は、
他人の視線、表情、しぐさ、
何を考えているのかなど、
色々な情報を人より多く察知し
思考するため疲れるのではないかと思います。
なので、人と会う頻度をコントロールするのが大切だ、
ということを本書は教えてくれました。
そして、現代ではSNSで、
24時間いつでも連絡が取れてしまいます。
これは、かくれ繊細さんにとっては危機です(笑)
私は、一度メッセージの通知などを見ると、
それに気を取られて、集中や没頭をすることが難しくなるので、
なるべく朝や日中は、通知をオフに、LINEなども見るのは最小限にしています。
そのような習慣にしてから、
夜まで本を読む集中力が残っているほど
頭がスッキリする日が増えました。
みなさんにもぜひおすすめしたいです。
「返信をした方がいいよな…」と
他人軸で生きるのではなく、
自分の感情をまずは大事にする。
もし、心配なのであれば、
「この時間、期間は返信できません」
というのを事前に伝えたり、
SNSプロフィールに載せるなども良い方法だと思います。
もし、人と会うことが刺激になり楽しいという場合は、その頻度を増やしていくと良いと思います。
大切なのは、それをコントロールすること、
コントロールできる環境を作っていくことではないでしょうか。
本書のメリット
自分が今どういう状況に陥っているのか、
ということがメタ認知できる内容になっています。
特に③の部分の、
かくれ繊細さんが「やりたいこと」で
悩む8つのフェーズは、
かくれ繊細さんに限らず、
多くの人が当てはまるフェーズがあるのではないでしょうか。
例えば、フェーズ7の「失敗で終了するフェーズ」(p166)。
我慢して頑張り続ける傾向がある人は、
心が折れてできなくなるところまでいって初めて、
自分が疲れて傷ついていたことを知り、
その物事からもう逃げたくなっています。
私も、高校の部活でメンバーが少ない中、
自分ができることをやらなきゃ、と気合を入れていましたが、
当時あまり気が合わなかった先輩と頑張って向き合いすぎたり、
やることに追われたりして、急に部活に行きたくなくなる時期がありました。
あのときは、軽く鬱になっていました。
正しい防衛反応です。
このように、
自分がいつのまにかハマっている状態、
自分が作り出している自分ルールを、
客観的に認識することができます。
そして、それぞれのフェーズに合ったワーク、
例えば上のフェーズ7に対しては、
「出来事・感情を具体的に書き出すワーク」があります。
これによって、
さらに自分の気持ちに気づき、
俯瞰することができるようになります。
まとめ
時田ひさ子さんの『かくれ繊細さんの「やりたいこと」の見つけ方』を紹介しました。
心が病んでしまって辛い人にはもちろん、
そうなりにくくするためにも、本書は役立つと思います。
まずは、しっかり休み、休み、休んだ上で、
自分の気持ちに少しずつ気づいていけると、
ワクワクする「やりたいこと」を探し、
創り出していけるのではないでしょうか。
ちなみに本書は、メンタル本大賞2023 特別賞も受賞しているそうです。
自分が、かくれ繊細さん(HSS型HSP)、HSPだなと思う方は特におすすめの一冊です!!