とある会場で、集合写真を撮っているとき。
そこには、数百名が集まっていて、カメラの画角に全員が収まるようにするために、カメラマンが指示を出していた。
そこで、カメラマンは言う。
「端っこの男性の方、もう少し寄ってください。」
これを聞いて、少しモヤッとした。
・どこから男性と判断したのか。
・その人のジェンダーは女性である可能性もあるのでは。
・その前に、男性と呼ぶ必要があったのか。
などなど、あれこれ頭を巡った。
昔はそんなこと考えもしなかったが、多様な性のあり方などを知っていった末に、このようなモヤモヤが生まれた。
それと同時に、言語の難しさというか、少なからず暴力性を持ってしまうものでもあるなと思わされた。
会話をするときに、効率性、スピードが重視されるのは、良くも悪くも、共通理解として存在していると感じる。
上の例では、男や女、というカテゴリーの表象ではない、他の言い方にした場合、
「髪がここくらいまでの、そこの方」(「髪が短い」という表現も考えたが、その短さも、今の社会における短い方という表象になりえてると言える。)
「黒いワイシャツに、ジーパンの方」
というふうになっていたかもしれない。
これらは、より事実に近いものを伝えているものの、長くて伝わりにくくもある。
でもそれを、「そこの男性の方」と言えば、素早く、端的に、大多数の人の共通理解として、男性っぽい見た目の人を指していることが伝わる。
でもこの表現には、少なからず暴力性が生まれるケースや可能性もあると想像する。
だから、どうすれば良いとすぐに結論の出る話ではない。
でも、普段生きていて、当たり前になっている前提を疑ってみることには、価値があることだと私は思う。
そして、考え続けるためにも、やっぱりもう少しジェンダー論とかを構造的に学びたいなとも思う。
もし、こういうトピックを考えたことのある方、詳しい方、LGBTQ+当事者など、関心のある方いたらぜひあなたの考え、解説を教えてほしいです!!