こんな人におすすめ
・やりたいことは多いけど、すぐ飽きる人
・スリルを求めるが、動揺しやすい人
・男、女らしさを求められるのが嫌な人
・HSS型HSP(かくれ繊細さん)の人
・HSS型HSPの特徴を知りたい人
・自分を大事にしたい人
自分のことを、客観的に理解するのに役立ちました!
HSS型HSPのことが、専門的な研究を通して、
アメリカでのHSPの状況も含めて知ることができます。
本について
【参考文献】
Tracy M. Cooper, 『傷つきやすいのに刺激を求める人たち』, フォレスト出版株式会社, 喜多直子(訳), 時田ひさ子(監訳), 長沼睦雄(監修), 2022, 412p
著者 トレイシー・クーパー
著者のトレイシー・クーパーさんは、
自身もHSS型HSPであることを公表されていて、
アメリカでのHSPの研究者であり、
HSP、HSS型HSPの人たちへの
相談やカウンセリングなどもされています。
HSP提唱者のアーロン博士による
ドキュメンタリー映画にも出演されています。
監訳は、HSS型HSP専門心理カウンセラーの
時田ひさ子さんです。
時田さんは、ご自身でも、
かくれ繊細さん(HSS型HSP)についての本を2冊書かれています。
まだ読んでいない方は、
合わせてこちらも見てみると、
よりHSS型HSPについて理解できるようになると思います。
監修は、精神科医の長沼陸雄さんです。
長沼さんは、HSPの数少ない国内臨床医で、
敏感気質の方がよく訪れる「十勝むつみクリニック」の院長です。
長沼さんも、繊細な人たちについての本を多数執筆されています。
HSS型HSPについて、より詳しく知りたい!という人は、
こちらの記事 “【HSP】繊細だけど好奇心旺盛な人、HSS型HSPとは?”をご覧ください。
HSS型HSPについて体系的に書かれた1冊
多数あるHSS型HSPの本の中でも、
多くの切り口で、体系的に、心理学的(科学的)に、
HSS型HSPについて述べられています。x
やはり、このようなパーソナリティ特性(性格)
の研究は、アメリカなどの方が
(国民性の違いや母数が多いこともあるのか)
研究が進んでいると感じます。
そのため、より進んだ研究による
体系的な知識や洞察を得られると思います。
本の内容
①パーソナリティ特性とは
遺伝と環境
HSS型HSPとは?
②HSS型HSPの子供時代
なかなか親に理解されない性格…
③仕事とHSS型HSP
フロー状態に入れると退屈感を感じない。
短期的なプロジェクトが向いてるかも?!
私の場合、なにかものづくりをしていたり、
ギターを弾いたり、歌ったり、プレゼンを作ったり、
それこそ、ブログを書いているときは、
没頭して、フローのような状態になります。
④対人関係とHSS型HSP
パートナーとの関わり方における難しさ
セクシュアリティについて、衝動性と感受性のバランス
繊細さもありながら、新たな刺激も求める性格は、
自分で扱うのにもコツがいるので、
それはもちろんパートナーにも影響を及ぼしますよね。
答えのない難しいトピックです。
⑤セルフケアとHSS型HSP
他人や物事との境界線をしっかり作る
刺激追及性を抑圧しすぎない方がよい
⑥危険行動とHSS型HSP
刺激追及性に伴う危険、依存性
それでも好奇心は成長へのきっかけとなりえる
⑦創造力とHSS型HSP
「分離」、精神的苦痛と成長について
HSS型HSPは、知性、想像性、情動性に優れ、
それらは発達能力の重要な要素である
⑧コミュニティとHSS型HSP
アウトサイダーである自覚によって、より自分らしくいられる
ジェンダーの烙印による生きづらさ
男らしさとHSPの繊細さ、
女らしさとHSSの大胆さは
社会では、認められにくいものです。
そこに生きづらさや葛藤を感じている人は少なくないと思います。
自分も少し感じることがあります。
本書から学べること
自分の個性をより細かく知れる
自分がHSS型HSPかもしれない、
と気付いたとしても、
おそらくそこにも、
人による違いが少しずつあると思います。
例えば、強く悩み、考え込み、
病みやすいタイプのHSS型HSPの人もいれば、
そこまで深く考える機会は多くなく、
いつもリスクを取りやすいHSS型HSPの人もいると思います。
本書には、そんなHSS型HSPの特徴に
あてはまりそうな人たちの実際の体験や、
生の声がとても多く載っています。
だからこそ、自分はこっちに近いかもしれない、
と自分の個性がより細分化して理解できていきます。
また、それは、年齢などによっても変わるはずです。
今の自分はこういう傾向があるかも、と知ることは、
それにあった生き方を考える上でとても大事になるのではないでしょうか。
今の私は、わりと物事を楽観的に捉えたり、
リスクをとって挑戦することもできるようになりました。
10代の思春期の学生時代は、
より傷つきやすく、悩んでいたことが多かった気がします。
もしかしたら、多くのHSS型HSPがそうなのかもしれませんね。
親子、性、依存症などの深いトピックへの洞察
HSPや、HSS型HSPの人たちは、
より豊かな感受性をもっているだけに、
親子関係や、(異性か同性かに関わらず)
パートナーとの関係から影響を受けやすく
また、HSSの刺激追及性は、倫理的に問題が
ありそうな物事への興味をより強いものにしています。
これらの事柄は、なかなか実際の生活では、
深く考えることのない(考えにくい)トピックだと感じます。
であるのに、ほとんどの人に関係のある深いトピックばかりです。
だからこそ、本書を通して、
自分がどういう体験をしてきたのか、
それが今の自分のパーソナリティに
どう影響をしているのかを知ることができます。
本書のメリット
何より、体系的かつ、とても専門的に、
HSS型HSPについて述べられていることです。
ところどころ、専門的すぎて、
自分にとっては少し難しいところもありました(汗)。
ですが、数多く出てくる、
新たな概念は自分にとって
(とくに想像力や直感力が溢れるHSPにとって)
新たな着想を得るきっかけになります。
例えば、ドンブロフスキ(精神医学者)が提唱した、
人格の発達理論「積極的分離理論」の話は、とても印象に残りました。
これは、簡単に言えば、
「内的な葛藤によって、社会の規範などにとらわれない、より高度な人格になりえる可能性がある」
というものです。
自分も、周りの人や社会との違いを多く感じ、
葛藤することが多くあり、それによって
「自分とはなんだろうか」、
「なんのために生きるのか」
ということを深く考えることが多くあります。
この理論は、そのような経験がある私の背中を
そっと押ししてくれているような気がしました。
まとめ
トレイシー・クーパーさんの「傷つきやすいのに刺激を求める人たち」を紹介しました。
傷つきやすいのに、
刺激を求めるって
とても複雑な性格です。
ですが、そんな性格にも
さまざまなタイプがあり、また、
そのような性格になる理由や背景も
さまざまです。
それを知れるのがこの本です。
HSS型HSPについて研究している人だからこそ書ける、
非常に深い内容の本になってます。
「自分は、繊細だけど、新しいことに挑戦したくなる」
「自分は、HSS型HSPかも」
と思う人は、自分の性格や生き方を
客観的に見れる良い機会になると思いますので、
ぜひ読んでみてほしいです。